成長期の子供が順調に大きくなるために必要な3大要素、
「睡眠」「運動」「食事」。
ここでは、「運動」にスポットを当てて考えてみましょう。
適度な運動が成長を促す
子供の身長が伸びるのに、「睡眠」「食事」と並んで重要な要素とされているのが「適度な運動」です。
睡眠と同じく体を動かすこともまた、骨や体の成長に欠かせない、成長ホルモンの分泌を促してくれるからです。
運動をすればお腹がすくので食欲増進へとつながり、栄養素を摂取しやすくなります。
また、運動によって得られる適度な疲労は質の良い眠りにもつながります。
このように、「適度な運動」は3大要素の他の2つである「睡眠」「食事」と密接に関わることで、成長のための重要な役割を果たしています。
成長に有効な運動って何?
子供の成長のために欠かせないのが運動です。
とはいえ、運動をする際には「身長」だけにこだわらず、けがや病気になりにくい元気な体づくりをまずは心がけたいもの。
全身を使って伸び伸びと体を動かすことは、どんなスポーツであっても子供にはプラスになります。
外遊びが好きじゃないから、と部屋に閉じこもってばかりいると体を動かす機会が減り、苦手意識が強くなってしまいます。
多少運動が苦手だとしても、子供は大人よりずっと吸収が早く、動けば動くほど上達します。最初は遊びの中で、体を動かす楽しさや気持ち良さを感じさせてあげてください。
成長を促すと考えられる動きとしては、骨に適度な刺激を与えること。
例えば、走ったり飛んだりする動きや、全身運動ができる水泳などはおすすめできるかもしれません。
しかし、この後にも書きますが、何事もやり過ぎは禁物。無理な運動で骨を伸ばそうとすると逆効果になる可能性もあります。
また、直接骨を伸ばすこととは違いますが、背筋を伸ばして姿勢を正すことは健康のためにも成長のためにも有効です。
姿勢が悪い原因の多くに骨盤の歪みがあります。骨盤が歪むと、人間の体を支える幹である背骨に無理な負担がかかり、体内の大きな血管や神経などが圧迫される場合があります。
これが消化器系の内臓器官に悪影響を及ぼすと、成長に必要な栄養素が体に行き届かず、結果として身長が十分に伸びなくなることも考えられます。
姿勢が良くなることで骨の状態が一定に保たれることによる好影響も期待できますし、骨の長さは同じでも姿勢が良い方が高く見えます。
上からぶら下がる・下から伸び上がる、骨盤の歪みを正すなど、正しい姿勢に役立つ運動は積極的に取り入れていきたいですね。
成長期にやってはいけない運動もある?
「睡眠」「栄養」と並んで成長期に必要な要素である「運動」ですが、場合によっては効果がないだけでなく、逆効果になることもあります。
(1)過度な運動
どんなスポーツであっても、特定のスポーツに偏ってしまうのは避けたいものです。
決まった競技ばかりを練習してその競技特有の動きだけを身につけるより、さまざまな動きを習得していく方が重要です。
また、大人から押し付けられるとそれ自体が「義務」となり、かえって運動嫌いになってしまうことも。
子供がのびのび楽しく運動できることが一番です。
そして、どんな種目であっても、翌朝にまで疲労を引きずるような負荷の高い運動は禁物です。
エネルギーを使い過ぎるということは、それだけ大量に栄養素を消費しているということ。体の成長に大切な栄養素が不足し成長の妨げにもなります。
例えば、軽いジョギングは骨への刺激にもつながりますが、長距離マラソンのようなエネルギー消費の激しい運動はあまりおすすめできません。
(2)成長過程に合っていない運動
成長期の子供の体は未発達で、器官によって発達の時期もまちまちです。
大人にとっては有効な運動が、子供にとっては逆効果になる場合もあるので注意が必要です。 身長と成長期でも触れたように、成長期の子供の骨は骨端が軟骨の状態になっており、そこから身長が伸びています。
体の一部、特に関節などに強い負荷をかけるウェイトトレーニングや継続的な激しい運動などで骨端軟骨を損傷させてしまうと、本来伸びるはずであった身長が十分に成長できなくなってしまう可能性が出てきます。
骨以外でも、例えば肺や心臓は幼少期はあまり発達せず、12歳くらいから大きく発達すると言われています。
成長期の大切な要素である「運動」ですが、やり過ぎは禁物。 マイペースに楽しく体を動かして、子供の健やかな成長につなげましょう。